シナバー&クリムゾン編
舞台は地下牢、繋がれているクリムゾンがいる
そこへシナバーがやってくる
シナバー
「気分はどうだ、真紅のクリムゾン。いや、エカルラート様を殺害した大罪人か。」
クリムゾン
「ふざけるな、何故エカルラートを殺した!」
シナバー
「濡れ衣は止してくれ。お前はエカルラートと決闘をし、その最中お前の剣がエカルラートの身体を貫いた。証拠にお前の剣には血がべっとりと付いていたではないか。」
クリムゾン
「お前が俺の剣でしたことだ!」
シナバー
「さあ、マゼンタ王や国民はお前の言葉を信じるだろうか?」
クリムゾン
「当然だ、お前が許されていいはずが無い。」
シナバー
「ふむ。しかし、お前は先の出陣で始まりのバンパイアと対敵しながら逃げられ、奴隷として売られていたツヴァイのメスを逃がしたそうじゃないか。王も国民も不審がってしまうかもしれんぞ。」
クリムゾン
「始まりのバンパイアの討伐は任務では無かった、それにいくら化け物とは言え奴隷にするなど許せることでは無い。」
シナバー
「さすがはわが国の英雄、だった男だ。しかし王も国民もお前がバンパイアと内通しているのではないかと、疑念を抱いているぞ。」
クリムゾン
「話せば分かってくれるはずだ。必ずお前のしたことを白日の下にさらしてやろう。」
シナバー
「それは楽しみだ。しかし知っているか、クリムゾン。反逆者は一族もろとも死罪になるのだぞ?確か貴様には母と妹がいたな。」
クリムゾン
「まさか。」
シナバー
「だが、俺も鬼では無い。もし貴様が罪を認めるのならば、家族だけは助けてやろう。」
クリムゾン
「やめろ、母と妹は関係ない。」
シナバー
「そうだ。だが、貴様が反逆者となれば、ともども死罪となる。どうする?お前一人が死ぬか、家族仲良く死ぬか。よく考えておくがいい。」
シナバー去る
クリムゾン
「・・・私がエカルラートをこの手で殺しました。」
気付けばそこは公開裁判の場
辺りからはざわめきが聞こえる
マゼンタ
「間違いないな?」
クリムゾン
「はい。」
シナバー
「聞いたか。この男は化け物どもと内通し、この国の転覆を目論んだ大罪人だ。我らの希望であるエカルラート様を殺害し、諸君らの命さえも奪おうとした。死罪にするべきだと私は思う。」
国民たち
「(口々に)異議なし。死罪にしろ。この裏切り者め。地獄に落ちろ。」
シナバー
「では、家族はどうするべきであるか?この大罪人の家族の処罰は。国の法に従うのならば、そちらも死罪が妥当である。」
ソルフェリノ
「いいんじゃない?」
バーガンディ
「そう定められているのだからな。」
バーミリオン
「反逆者の一族は新たな反逆者を生み出す芽となり得る。」
国民たち
「(口々に)殺せ、殺せ、殺せ、殺せ!」
クリムゾン
「待て、家族には関係ない。殺すなら俺を殺せ。どういうことだシナバー。」
シナバー
「では、この男の母と妹を死罪とする。」
クリムゾン
「やめろぉぉぉぉ!」
シナバー
「見ろ、反逆者が暴れはじめたぞ。すぐに取り押さえろ、殺しても構わん。バーミリオン、バーガンディ、ソルフェリノ。」
クリムゾン
「貴様ら、決して許さん。この怒り決して忘れない。この命無くなろうと必ず滅ぼしてやる。何もかも、この手で奪い取ってやる!」
ソルフェリノ
「落ちた!逃げた?」
バーミリオン
「この崖の高さだ。助かりはしない。」
バーガンディ
「これでようやく、ですね。」
シナバー
「ああ、これでこの国は生まれ変わる。邪魔者二人はいなくなった。大陸の支配者となるべく、進んでいこう。」
ソルフェリノ
「いいの?バーミリオン様。あんな男に好きにさせて。」
バーミリオン
「ああ、構わないさ。あれにはこの王国をくれてやるさ。」
バーガンディ
「しかしそれでは。」
バーミリオン
「分からないのか?私たちは奴の弱みをすべて握っている。この国、いやこの大陸を動かすのは私たちだよ。」
ソルフェリノ
「ああ、そっかなるほど。」
バーガンディ
「くだらない権力争いは馬鹿な男どもに任せておけばいいと言うことですね。」
バーミリオン
「ああ、その為にもあれにはせいぜい頑張ってもらわねばな。」
女三人不敵な笑みを浮かべる
別の場所にクリムゾンが横たわっている
セキ・コウ
「おい、シャド。」
シャド
「何だよ。」
セキ・コウ
「これ。」
シャド
「人間か?」
セキ・コウ
「食べる?」
シャド
「スカーレット様に勝手に食うなって言われてるだろ。それにこいつどっかで見たな・・・。めんどくさいけど、連れて行くか。」