ギュールズ編
アリザ
「マゼンタ四将軍の一人バーガンディと言えどもギュールズ様には敵う訳がありませんでしたね。さて、この男にも死んでもらいましょうか。」
ニール
「うわぁぁぁ!」
アリザがニールに剣を突き刺そうとした時、ギュールズが止める
ギュールズ
「待て。」
アリザ
「え?」
ギュールズ
「人間。私が憎いか?あの女を殺した私が憎いか?」
ニール
「うう・・・あぁぁぁ。(恐ろしさのあまり声にならない)」
ギュールズ
「(ニールの頭を掴み)答えろ。憎いか?私を殺したいか?」
ニール
「にく・・・い。憎い!殺したい!」
ギュールズ
「なら生き延びて見せろ。そしてもう一度私の前に現れてみるがいい。」
リサージ
「ギュールズ様、何を。それではクリムゾン様の意向に・・・。」
ギュールズ
「何故私があの人間の命令を聞かねばならない。」
リサージ
「それは・・・。」
アリザ
「この作戦に於いてはクリムゾン様の意志はスカーレット様の意志。そうではありませんでしたか?」
ギュールズ
「マゼンタ王国の人間は一人も生かすな、か。奴自身が貫けるかどうかだが。これは私の趣味だ、見逃してはくれないか。」
アリザ
「趣味、ですか?」
ギュールズ
「命のやり取りを味わう。それだけがバンパイアになってからの私の楽しみだ。」
アリザ
「しかし、こんな男がギュールズ様を満足させるとは思えませんが。」
ギュールズ
「憎しみは人間を強くする。何よりもだ。アリザ王女、あなたが良く分かっている事ではありませんか。」
アリザ
「・・・分かりました。所詮羽虫が一匹生き残ろうとどうでもいいこと。それよりもそろそろスカーレット様がいらっしゃる頃、出迎えに行きましょう。」
アリザ、リサージ、ギュールズ去る
ニールその場にうずくまり、嗚咽を繰り返す
暗転